看護師として働くなかで、大変さを感じるのは夜勤のお仕事をしているときです。生活リズムが昼夜逆転しがちになったり、夜間の急変対応だったり、大変なことがいろいろあります。でも、夜勤だからこその良い点もあるんです。
夜勤の仕事をする看護師は、生活リズムが乱れがちです。人間は本来、日中に活動し、夜間に眠るという生活リズムを持っています。しかし、夜勤の看護師はこのリズムを無視して働くことになりますよね。昼間は休息を取り、夜間に働くため、体内時計がどうしても混乱してしまうんです。
私たちの体には、メラトニンというホルモンがあります。メラトニンは夜になると分泌され、眠気を促す働きを持つホルモンです。しかし、夜勤で働く場合は明るい場所で活動するため、メラトニンの分泌が抑制されます。その結果、休息時間である昼間に眠ることが難しくなり、睡眠不足に陥ってしまうんです。
このような状態が続くと、睡眠障害を引き起こすこともあります。睡眠障害は、集中力の低下や倦怠感、イライラのようなさまざまな症状を引き起こします。看護師は、患者さんの命を預かる責任ある仕事です。睡眠不足によって集中力が低下すると、医療ミスにつながる危険性もありますよね。そのため、夜勤の看護師は、生活リズムを整え、質の高い睡眠を確保することがとても重要です。
夜勤時は、日勤に比べて看護師の人数が少なくなります。そのため、一人あたりが担当する患者さんの数が増える場合もあり、より多くの責任を負うことになります。夜間は患者さんが寝ている時間帯とはいえ、容体が急変する可能性も十分にあるのです。急変に対応するため、看護師は常に患者さんの状態に気を配り、異変があればすぐに医師に連絡して適切な処置を行う必要があります。特に急性期病院では、重症の患者さんが多く入院しているため、夜間の急変対応が多くなるものです。このような状況下で、看護師には迅速な判断と臨機応変な対応が求められます。
夜間に患者さんの容体が急に悪化したた場合、看護師はすぐに適切な処置をしなければなりません。場合によっては、医師を呼び出したり、他の医療スタッフと連携して対応したりする必要もあります。一刻を争う状況で、冷静さを保ち正確な判断を下すことはとても重要です。
上記で紹介したように、病院での夜勤は肉体的にも精神的にも大変なことがたくさんあります。しかし、夜勤ならではのメリットもあるんです。大変な面ばかりに目が行きがちですが、夜勤ならではのメリットを理解したうえであえて夜勤を選ぶ看護師も多いものです。
夜勤は少人数の看護師で対応にあたるため、一人ひとりの看護師の判断力が磨かれます。日勤のように先輩看護師にすぐに相談できる環境ではないため、自分で考えて行動するうちに判断力や責任感が養われるのです。また、夜勤手当がつくため、収入が増えることも大きなメリットでしょう。夜勤手当は基本給に上乗せされるため、夜勤をこなすほど収入アップが図れます。さらに、日中に時間が自由に使えることもメリットです。病院によっては、夜勤明けの翌日もそのまま休みになる場合があり、平日の日中にしかできない銀行や役所での手続きなどを済ませやすくなります。夜勤は大変な面もありますが、これらのメリットを理解することで、より前向きに夜勤に取り組めるでしょう。